阿寒湖釣行から帰還して４日後の土曜日、あらかじめＢＯＢ氏の宿を確保していたので、道南方面にアタックすることは決まっていたのだけど、どのフィールドを彷徨うかを思案していた。昨年の今時期、幸運にも釣果が得られた大沼では、ロッドを振ってみようと思っていたが、他は何も決まっていなかった。ふと思いついたのが美利河ダムのリザーバー、ビリカ湖である。もうかなり前になるが、ランカークラスのニジマスをジャンプ３発でフックアウト。翌年には６７ｃｍのブラウンをランドできたポイントがある。もうかれこれ１０年くらいは足を運んでいないのではないだろうか。初日はまずそこを目指すことにし、次はＢＯＢ氏お膝元のリザーバー、最後に大沼。翌日はＢＯＢ氏に山岳渓流に連れて行ってもらおうと勝手な計画を立てた。土曜日の朝、目覚まし無しで４時半に目が覚める。身体が釣りもモードから抜け出せないでいるようだ。気がつくと高速道を西に向け走り出していた。

ビリカ湖に到着。目指すポイントに行く前に周囲を車で走ってみた。チュウシベツ川の流れ込など土曜日であるから何人かの釣り人の姿はあるだろうと思っていたが、一人の釣り人の姿も見ることができなかった。釣れていないのか？。事前の情報は全くなかった。ポイントについて、ここでは実績のあるビリカスペシャルのスプーンを放射状に打ち込むも全く反応が無かった。５ｃｍのミノーに７ｃｍのヤマメが食いついてきたところで、このフィールドは諦め次の場所へ移動すことにした。

次に向かったのは、更に道南のリザーバーである。ヒグマの出没が激しいところなので、熊鈴はダブルで、鉈やクマ避けスプレーも装備してインレットに降りた。以前よりも水面の面積は小さくなったようだが、トラウトの気配は十分にあった。しかし、なかなかバイトまでには持ち込めなかった。場所を移動しながらキャストを続けたが、一度だけスプーンに３０ｃｍ位のブラウンの追いを確認できたのみ。ＢＯＢ氏が私の後に入って４０ｃｍくらいのブラウンとアメマスを釣ったそうだ。夜に彼と一杯やりながらここの攻略法のレクチャーを受けた。
やはりここのトラウトたちは深場のホトム付近を回遊しているそうだ。私がルアーを放り投げていたところとは微妙に場所が違っていた。それから、スプーンはボトムまで落とし込んでデッドスローで引くのが有効であるそうだ。これも沈倒木への根掛かりを嫌って、中層を速びきしていたっけ・・。セオリーがわかったので次回に期待である。アウトレットから流れ出す川でもスプーンを中心に探ってみた。著しく減水している。そんな中、ブラウンの稚魚とイワナが相手をしてくれた。

さて、午後から本日のメインイベント大沼に向かう。大沼の釣りは、ネットでも冬のワカサギの情報は満載なのだのだけど、アメマスの情報は参考になるエントリーが少ない・・。昨年訪れた時も、ベストシーズンのこの時期ならば、週末にはアメマス狙いのアングラーが主だったポイントで釣りをしているはずだから、初めてのフィールドであっても、車が停まっていれば容易にポイントはわかるだろう・・。なんて高を括っていたのだけど、一周しても釣り人らしき車は皆無であった・・。まだ、未知数が多い釣り場である。今回は３バラシの後にグッドコンディションのアメマスからのコンタクトがあった。ロッドを両腕で支えているのがやっとで、カメラを回す余裕などはなかった・・。大沼はそんなに甘いフィールドではない。だからこそ、１本満足のいく型が出たら喜びはひとしおだ。５５cmくらいだけど、強烈なパワーとトルクであった。シーズンが短い止水の大沼・・。鱒がまだ大沼内を回遊している間に、いろいろと探ってみたいフィールドだ・・。大沼では８０ｕｐのアメマスも現認されているらしい。アメマスは回游場所さえ、見つければそれなりに反応があるが、周期が不規則で長い・・。心折れることなくキャストを続けるしかないだろうね。

翌朝はＢＯＢ氏と相談し、一気に日本海側の山岳渓流を目指した。４月以降ＢＯＢ氏が６０ｕｐの遡上アメマスや３７ｃｍ、５３ｃｍの越冬イワナをランディングできたフィールドである。まとまった雨がしばらく降っていないせいか、前回ＢＯＢ氏が来た時の足跡が砂地に残っていた。ということは、アメマスも動いてはいないようだ。ＢＯＢ氏が前回ランドできたポイントでは反応無く、竿抜けやルアーを流していないポイントからは反応があった。６０には届かなかったがコンディションの良いアメマスやイワナが反応してくれた。この日の最高気温は１３度。天気は良かったが歩いていないと肌寒く感じる。吸血昆虫も皆無で、春の日差しを全身に浴びながら新緑の渓を歩く。最高に気持ちの良い釣りであった。やっぱり、渓は良いなあ・・・。

夜の宴は相変わらず楽しいものであった。ＢＯＢ氏が採ってきたウドやタラの芽などの山菜料理や豚スキなど山海の珍味を味わいながら、釣り談義やよもやま話に興じる。ＢＯＢ氏ゆかりの宿は、地元から仕出し料理やお弁当・オードブルの他、クリスマスケーキやピザの注文も受けているらしい。人気があって冠婚葬祭時には大忙しであるようだ。以前、ＦＢの方のエントリーでビザを見た時に、美味しそうとコメントを入れた。おそらくＢＯＢ氏の方から奥様に頼んでくださったのであろうピザを振る舞ってくれた。しみじみと美味しかったなあ・・。私は、ここでピザが無くてもご飯を食べたことが無い。いつも、楽しい話と美味しい料理にお腹がいっぱいになってしまうからである。今回も、ご馳走様でした～！。