海か川かで迷ったゴールデンウィークの前半であったが、事前の波予報は比較的安定している様子であったので、初日早朝は予定通り、サクラマスを狙ってロックをランガンかけることにし、午後からは川をメインに彷徨ってみようと思った。まだ未明の高速道路を西に向けて走り出したが、黒松内辺りの気温が車の車載計でマイナス３度であった。後数日で５月であるというのに、朝晩の気温はやはり低い。車窓から見える景色も４月の初め頃と比べると大分雪も減ったが、姿を消したわけではない。狩場山麓の中腹以降はまだ真っ白であった。

フィールドに到着した時には、もうすでに夜は明けていた。心配していた風も思っていたほどではなく穏やかである。急いでタックルの準備をして崖を降りていった。過去に実績のある岩場に入りキャストを開始する。いったいどれくらいの回数、キャストを続けただろう。しかし、ルアーはむなしく手元に戻ってくるだけで、サクラマスからもアメマスからも全くコンタクトを得ることはできなかった。岩礁のスリットや穴に落ちないように気をつけながらとぼとぼ歩き、いくつかのポイントを回ってみた。そろそろ腕がだるくなってきて、諦めようかとの思い始めた頃、引っ張っていたミノーの動きをガッ！と止められた。グングンと底に潜り込む。ついに来たか！と心躍るも、水面から顔を出しのは、愛嬌のある顔をしたホッケであった。同じ場所で２本追加。全く反応が無い時のホッケからのコンタクトは、ある意味心が癒されるが、もちろん充実感があるわけではない・・。１０時前には全てを諦め、さらに南下することを決意した。

島牧から瀬棚、そして熊石の海岸線を走ったが、さすがゴールデンウィークである。車が停まれる駐車帯には必ず数台ずつの車が鎮座していた。サクラマス狙いの釣り人もいたが、岩礁のにぎやかな様子を見る限り、ほとんどかホッケの浮き釣りや投げ釣りの人たちである。釣り場が混雑するのは個人的には歓迎できないけれど、これも道南の春の風物詩である。致し方ないところであろう。

昼食を挟んで、川に潜り込んだ。どの川も雪白が入り、水量も多くにごっていたが、川によってその程度が違っていたようだ。強烈に水量が多くて、遡行はおろか渡渉さえできない川もあったし、遡行は難しいがピンポイント的に釣りが可能であった川もあった。まあ、これは平水時の川の規模や水源や流域の残雪具合によって異なっていたものであろう。ライトタックルに持ち替えて、釣りが可能な川に入渓する。ポイントから低水温にもかかわらず、元気なコンディションの良いイワナが果敢にルアーにアタックしてきて、楽しい思いができた。昨年の同時期、一番反応が良かった川が雪白増水真っ最中にて、釣りにならなかったのが残念であったね。

翌日は、BOB氏からお誘いがあり北上して合流する。誘導して頂いた場所は、彼が先日サクラマスを僅かの時間に３本ゲットしたフィールドである。到着すると辺りはすっかり明るくなり、BOB氏はすでにロッドを振っていた。早速並んでキャストを始める。しばらくして、沖に放り投げたジグミノーをフォーリングさせるとググンッという押さえ込むアタリがあった。感触からしてサクラではないと思ったが、ランディングしてみると５０ｃｍを少し超えるくらいのアメマスであった。しかし、それっきり・・・。今日はこの辺りにサクラマスの回遊は無かったようだ。

BOB氏と相談して、一気にターゲットをサクラマスから山菜へと変更する。そしてひたすら南下、太平洋側に抜けるルートの途中にある山林に突入・・。そこは、いつもの年であれば今時期、３６０度アズキ菜畑、それに混じって行者ニンニクも賛成しているところなのだが、残雪がまだら状にあり、残雪がない所にもアズキ菜らしき姿は見られなかった。今年は低温続きで春が遅い。やはりまだ早かったかと諦めの境地で辺りを徘徊していると、広範囲に物色していたＢＯＢ氏がやってきて、「アズキ菜、出ていますよ！。」とわざわざ私の所に戻って教えてくれた。BOB氏の後をついていくと、そこはこの辺りでは比較的日当たりのよい斜面になるのであろうか、まだ、葉は開いてはいないが茎上のアズキ菜が散在していた。教えられる通り採取していく。渓を挟んで反対側に姿を消したBOB氏が、少しの時間後に戻ってきて、食べ頃の行者ニンニクをどっさりいただく。さらに、川を少し下った所にあるワサビ畑にもご案内いただいた。その日の夜は、「さっそく」山菜三昧にて、春を満喫させていただきました。毎年のことであるが、BOB氏の心遣いには心より感謝申し上げたい。

１０年以上前、ヤマメオンリーで渓を彷徨っていた頃には年に１度は必ずお世話になっていた宿である。料理の質は非常に高いと思う。しかし、今は値段設定の相違がわからない。楽天からの予約で、１泊２食付きで８４００円と夕食のみで８４００円。夕食のみであれば、もっと値段が安い選択肢があった。朝は早く出かける予定であったので夕食のみで８４００円の方で予約を入れた。昨年は後付けではあったが朝食付けて８４００円であったので、今季設定では１泊２食で８４００円の方であろう。夕食事は相変わらずレストランにて・・、以前は部屋食であった。周りにいたのはほとんどが家族連れ・・、家族連れが夕食のみの選択をするわけがない。必然的に夕食のみの方がグレードが高いと思い、何が違うのかそれとなく見ていたが結局、わからなかった・・。まあ、１０００円の違いであるので宿に説明を求めるまでの話ではないのだが・・。