TKDNさんからの嬉しいお誘いで、２年ぶりにオフショアの釣りをする機会を得た。HIROSHI氏を誘って、２名の乗船手続きをTKDN氏にお願いしていた。出航最終判断は前夜の金曜日夜７時・・。この日会議が入っていて、その会議中にTKDN氏からのTELがあり、マナーモードになっていた携帯の振動が伝わる。出るに出られず（申し訳ない・・）、会議が終わって即効で返信すると、明日は予定通り出航できるとのお話であった。急いで本宅に戻り、ネットで海況を確認すると、朝方から昼間に掛けて徐々に波は落ちていく予報であった。本宅に戻った時間はすでに９時を大きく回る時間であった。それから風呂に入ったり夕食を摂ったり・・・。そしてやおらタックルの準備を始める。１年間冷凍庫で眠っていた赤いかを引っ張り出して、溶かして切り刻んだり、２年前からオフショア用タックルボックスに眠っていた仕掛けや抜かりなく妻に購入しておいてもらった（食べられる魚の釣りの場合、妻もサービスが良い　笑）錘１５０号などをボックスに詰め込んだりしているうちに、すでに日付が変わっている時間となっていた。東静内の漁港へ・・集合時間は朝の５時半、HIROSHI氏とは高速日高道降り口のコンビニで４時半に待ち合わせることにしていた。遅くても３時には家を出なければならない。少しでも寝ようとベットに潜り込んだが、久しぶりのオフショアの釣りに興奮していたのであろうか・・目が冴えて眠ることができない。やっとまどろみかけた頃に、目覚まし代わりの携帯のアラームがけたたましく鳴った・・。

HIROSHI氏と合流後、さらに南下を続ける。めざす東静内の漁港に無事たどり着いたが、もちろんまだ辺りは暗闇に包まれていた。まもなくTKDN氏ご夫妻と合流する。彼とお会いするのは昨年夏の道東サーフ海アメ遠征以来である。型どおりの挨拶を済ませさっそく乗船させていただく。思っていたよりも大きな船であった。片側に６人ずつ、計１２人での釣りが可能であるようだ。辺りが少し白み始めた頃、船は漁港から外海へ滑り出した。風はほとんど無い。しかし、波長の長いうねりが海面を覆い尽くしている。そのうねりの山をひとつひとつ乗り越えながら、快速で船は沖に突き進んでいく。キャビンには入らず、外の船尾にてHIROSHI氏と談笑しながらスクリューによって後方に砕け散る水しぶきをぼんやりと眺めていた。乗船前に車中にて、食べたくも無い朝食のおにぎりをお茶で無理やり胃に流し込み、酔い止めの薬は抜かりなく飲んでいた。しかし・・予報以上にうねりは強烈に残っていたようだ。スクリューによって砕け散る波のしぶきを見続けていると、気分が悪くなってきそうである。それで、視線を水平線など遠くのものに移して近いものはなるべく見ないようにした・・。３０分も走っただろうか・・数は少ないが船団が見えた。どうやら目的の海域に到着したようである。

私に割り当てられた釣り座は左舷の真ん中辺り、左にHIROSHI氏、右隣はTKDN氏の奥様、その隣にTKDN氏と並ぶ。船頭がタナを35mと指示。一斉に仕掛けを降ろす。ラインを止めて軽くしゃくったところで、すぐに魚信があった。軽く合わせを入れ、しばらく待つ、２度目の魚信で電動リールの巻き上げのスイッチを入れた。上がってきたのは２本のスケソウ・・・。その後も順調にスケソウのバイトが続く・・。しかし、うねりは強烈であった。風上に船首は向いているが、うねりは四方八方から容赦なく船体にぶち当たっていた。シーアンカーなどは使用せずに流れに任せての釣りの様である。強烈に船が揺れ続けているものだから、まともに立つこともできなかった。大きなうねりがぶち当たるとタックルボックスが跳ね上がる・・。スケソウは釣れ続けていたが、肝心のソウハチが来ない。船頭の場所移動のアナウンスが流れる・・。ふと見ると、TKDN氏の姿が無かった（笑）。

別場所に移動し、船頭からべた底を取るようにとのアナウンス・・。仕掛けをべた底まで落とす。カウンターは６５ｍで停まっていた。まあ、この辺りはそんな深さなのだろう。すぐに、ソウハチがダブルでヒット。この瞬間私は、完全にまったりモードからトラモードへと変身していった・・。船に酔う・・なんていうごくありふれた、当たり前の人間らしい生理現象は身体から全て消えうせ、漁師さながらの捕獲マシンと化していたのだ（笑）。いつのまにかTKDN氏の奥様の姿が消えた。やがて・・HIROSHI氏も、まあ彼は後で聞くと完全なる船酔いになったわけではないようである・・。電動リールのベールを外して、ラインをべた底まで落としテンションを取る。すぐにアタリはあるがここで巻き上げたりしない。軽くあおって次のターゲットを狙う。何せ仕掛けはサビキ仕様で針が６本も付いているのだから・・・。しばし我慢の末、ここぞというところで電動リールのスイッチを入れる。巻き上げの途中外れることがなければ、全ての針にソウハチが付くこともあるのだ。船頭が、「なんだい！５人しか釣りして無いじゃん・・・。」とぽつりと言い残して私の前を通り過ぎた・・。

後半HIROSHI氏復活！。壮絶な追い上げはお見事でありました・・。私も結果ソウハチの束釣り・・本当に２年ぶりのオフショアの釣りを堪能させていただきました。TKDNさんご夫妻には心より感謝申し上げます。