「また一つ年輪を刻む時・・」「光陰矢の如し」などの言葉通り、月並みながら本当に過ぎ去ってしまった時間は本当に早く感じられるものだ。年を追うごとに確実に増えていく齢に一抹の寂しさを感じながらも、こうして大きな事故もトラブルも無く、平穏に年の瀬を迎えられることに安堵の念を抱いている自分がいたりする。そんなしみじみとした感傷に浸っている暇もなく、今年も始まりました（始まってしまった？）ね。冬の日本海海アメ海サクラ釣行が・・。心の底から、身体に悪い釣りであることはわかっているはずなのに、週末になると、なぜかそわそわと落ち着かなくなり、天候や海況が多少悪くても、日本海まで通わずにはいられない気持ちになるのは不思議なことだね。

さて、今シーズンの初陣は土曜勤務の振替日となった１６日（月）である。この日は気温は高かったけれど、天気も海況も良くなかった。往路の高速道路上では雨まじりの霙が断続的に降っていた。まだ早いとは思ったが、瀬棚の端の漁港を目指した。月曜日ということもあり、この日の漁港は私一人の貸し切りであったが、アメマスの本隊は到着していなかったようだ。例のノスタルジックなメロディーが流れた直後に、軽いアタリがある。合わせを入れると乗ったようだ。しかし、ラインの先には重量感は感じられなかった。難なく上がってきたのは３０ｃｍを少し超えるくらいのアメマスであった。５分後くらいにさらに同サイズを１本追加。その後全く反応がなくなってしまった。場所の移動を決め、海岸線を走ると、道路に波の華がふわふわと漂っている。沖合から３ｍ以上の波が打ち寄せているようで、とてもサーフでは釣りができる状況では無かった。ひょっとしたら、釣りが可能かもしれないと風車裏に立ち寄って様子を見たが風速１２ｍの風が吹き荒れ、沿岸一帯は濁りが入っていた。一応、浪打際に立ってルアーをキャストするも重めのジグでさえ、風に流されてあらぬ方向に落下する始末。早々にここでの釣りも諦めた。島牧まで北上しながらいくつかの漁港でロッドを振ったが、ホッケの追いを確認しただけで、アメマスやサクラからの反応は無かった。島牧に到着しても海況は瀬棚と同様で、ほとんど釣り人の姿は無い。この日は諦めてそのまま帰路についた。

翌週の３連休、土日に今期２度目の日本海遠征を予定していた。今回はHIROSHI氏も参戦する予定であった。しかし、彼は金曜日の夜に職場の忘年会が入り、日中の合流は無理であるとの連絡が入る。いつものフィールドまで、私の本宅からでもオール高速を使って、２時間以上は掛かる。路面が圧雪・アイスバーンであれば、現地到着はさらに遅くなる。HIROSHI氏にお聞きすると、道路状況が悪い時には、札幌からなら５時間近く掛かるそうだ。彼が言う道南の日本海遠征は、十勝川遠征と掛かる時間は変わらないというのは、もっともな話なのである。

それで、初日の土曜日は単独でフィールドを彷徨うことにした。ＦＢ仲間のＨ氏から貴重な情報もいただいていたので、時間の許す限りアメマスの群れを求めてランガンを掛けようと考えていた。朝の漁港は、前回から１週間経っているので期待をしていたが、全く反応なし。その後風車裏内外のサーフを利別川河口まで探ったが、アメマスからのコンタクトは得られなかった。昼食後太櫓海岸へ。離岸流を見つけここでようやく１本。４０ｃｍくらいであったが、型が見られて嬉しかった。ここには、群れで定位していてもおかしくはない良い感じの波模様であったが、後が続かず。沖合３００ｍ位のところに鳥山の姿があり、盛んに海面に急降下している。寄って来ないかと粘ってみたが、その気配はなかった。夕刻風車裏に戻って、根性でキャストを続け、２本追加・・。型は同様であった。夕闇が迫り本日は終了とした。

翌日未明に、昨日HIROSHI氏との楽しかった忘年会の余韻を、重たい頭とともに引き摺りつつ、漁港へ向かう。舐めるようなアタリがあったが、型は小さく合わせを入れられるような代物ではなかった。HIROSHI氏も同様であった模様である。この漁港は昨年の今時期には、大型群れが既に入っていて楽しい思いができたのだが、今年は遅れているようだね。風車裏に異動する。この日の瀬棚界隈は目まぐるしく天候が変化した。曇り時々晴れ、一時ブリザードといった感じである。風向きが北東から北に変化したが、立ち位置的にこの風は右斜め前方から左後方に吹き抜ける風である。正面にキャストしてもラインが風に流されてたわんでしまいテンションが取れない。強烈な風に乗って叩きつけてくる雪に正対しキャストをするのは辛かったね。そんな中でも頑張ってキャストを続けて良かった。私もHIROSHI氏もサクラマスとアメマスを１本ずつ手中に収めることができた。まあ、アメマスは海イワナと呼んだ方が似つかわしい代物であったけれどね。昼食後、再び風車裏に戻ってみると、午前中は断続的であったのに、ひっきりなしに雪と風が舞っている。北上するというHIROSHI氏と別れた後、天候の回復を待ったが、快方に向かう様子はなかった。ここで諦め撤収を決めた。冬の日本海アメマスシーズンは始まったばかり・・今後の展開に期待したいね。