中秋のシケイダー トップウォーターフィッシング
2009.10.3

今宵は十五夜という記念すべき日に、道央圏のリザーバーをチライマン氏と共に彷徨ってきた。チライマン氏にアポを取ったのが1週間前、盛夏に購入した4人乗り用ポートの進水式をチライマン氏と道央のリザーバーにて・・と考えていて、そのタイミングを推し量っていたのである。急な連絡であったにも関わらず彼は二つ返事で承諾してくれた。さっそくその夜のうちに段ボールに入ったままセカンドハウスの物置に放り込んでいたボートの箱を開封する。同メーカーの同シリーズの2人用のボートを所持していて、今まで同フィールドで使用していたが、超軽量なので移動は楽であるが、湖上での釣りはやはり2人用に2人というのは窮屈である。それで、4人用を購入したのである。やはり予想通り嵩張りや重量では2人用よりも難儀はしそうであるが、底板を別に携帯すれば、キャリーも前回の釣行前に購入してあるのでなんとかなるであろう・・。と・・言いつつも、いつもボートの湖畔への運搬・撤収はいつも彼が担ってくれている。心より感謝である。まだ、夜が明けきらぬうちに彼と合流。タックル、釣装を整えて湖畔に向かう。到着して、準備をしていると湖岸から至近距離のところで「バッシャーン!」という大きなライズを見る。否が応でも期待が高まった。チライマン氏の好意に甘え、操船を彼に任せて、ボートは静かに岸を離れて湖の奥に突き進んでいった・・。

ヌメリツバタケモド

ブナハリタケ

エノキタケ

ボートを漕いでいただいているチライマン氏の傍らで、期待に胸を膨らませて、湖面を凝視する。時折渓を吹き抜ける風に木々がざわめき、木の葉がひらひらと湖面に舞い落ちる。無風になると湖面は鏡張りの様相を呈していた。鏡張りの湖面に無数のライズが見られる。ただ、このライズの正体が全てブラウンのもので無いことは、薄々感じていたのかもしれない。湖水の周りの木々たちは本格的な秋の佇まいにはまだ発展途上の段階で、少し色がくすんだ緑の中に、所々黄色や赤の葉っぱを纏った木々が鎮座しているという雰囲気であった。水温が中途半端なこの時期、ブラウンの定位しているところを探し出すのが実に難しい。最初に入ったシャローエリアで、私が精一杯生きている躍動感を演出したシケイダーにコンタクトをしてくれた湖水の住人はウグイのみであった・・。ボートに乗って初夏の頃であれば、確実に定位している崖際のエリアを流す。チライマン氏に待望の1本・・しかし、後が続かなかった。チライマン氏が9月に訪れた時に反応が良かった、インレットより上の流水エリアを狙うことした。ボートを湖岸に置き、歩きながら岸際の枝葉がオーバーハングしている真下・・さらには潅木が水中から湖面に突き出ているストラクチャー周りを丹念に探る。とあるポイントで一回だけ水面が炸裂した。残念ながら3秒でフックアウト・・。やはり、活性が高いブラウンがそこに存在している場合、何らかの反応は示してくれるようだ。さらに、上流に遡り続ける。渓相は抜群な景観を誇っていた。しかし、この流れのあるエリアではシケイダーを引っ張るのは難しい。チライマン氏からミノーの反応が良いことを教えていただき、私もミノーに切り替えた。すると、強い流れの中から果敢にミノーにアタックしてくれたブラウンに巡り会うことができた。型は、尺上程度であったが、今日初めてのブラウンを手にすることかでき、素直に喜んでいる自分がいた。

流水エリアにはやはり型の良いブラウンは不在らしい。チライマン氏との協議の結果、型もののブラウンは止水エリアにいるのは間違いが無いということで、湖に戻ることにした。後はどこに定位しているかを探り当て、持ちうる全ての技を駆使してブラウンに口を使ってもらうしか方法は無いだろう。ボート上にて、チライマン氏との歓談は続いた。通常であれば交代でどちらかがボートを漕ぎ、どちらかがキャストをするといった按排で釣りをしていたのだが、今日はチライマン氏が率先して漕ぎ役を引き受けてくれた。湖のど真ん中を航行中・・・いきなり、バッシャーン!と私のシケイダーに派手にバイトしてきたブラウンがいた。全く予想だにしていなかったので合わせが遅れてしまった。あえなくバラシ・・60はあった!・・というチライマン氏の言に悔しさが込み上げてきた。ここのブラウンは通常湖岸のオーバーハングした枝葉の下、湖底にストラクチャーがあれば最高・・という所に定位している場合が多かった。こんな湖水のど真ん中でのアタックは過去に経験が無い。言い訳になるが・・トラウトは釣り人の殺気が消えた瞬間・・仲間とバカ話を大声で話している時などにコンタクトしてくるものだ。その後ね湖水のど真ん中にてブラウンが定位しているということで、湖水のど真ん中をボートを流す・・チライマン氏さらに1本追加・・。やはり、コンタクトがあったらトラウトを確実にランディングできる腕前は実にお見事である。その後は完全にチライマン氏の接待モードでの釣りとなった。取って置きのポイントにて、私のラインシステムを改善していただき、ポイントの狙いどころを丁寧にレクチャーしてくれた。彼のおかげで、その後に待望の1本・・・さらに、帰路にボートを漕いでいただいた傍らで、1本追加することができた。今回の釣果は全て彼のアシストのおかげであると言っても過言ではない・・。帰りしなに彼の言った一言・・「お互いに2本ずつ獲れて、良かったですね・・」・・・うーん・・・彼は実に良い大人である・・・・(笑)完全に脱帽だね・・・。ご配慮・・・心より感謝申し上げます・・。

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