ゲストを迎えて道東遠征～湿原河川～

平野河川の人の多さとアメマスのスレ具合に嫌気がさして、２０日～２１日は釧路よりはさらに東の湿原河川を巡ってきた。初日は釧路在住のテツさん、メアリーさんご夫妻も同行してくださるとの連絡をもらう。総勢で７名の大所帯である。道東域の湿原河川は、牛川は１０月、他の河口域は１１月が旬となる。だからこの９月中旬というのは実に微妙な時期なのである。アメマスのファーストラン（産卵遡上群）はすでに最上流域に達しているだろうし、セカンドラン（越冬遡上群）はまだ海にいるといった状況で、アメマスが定位しているところを探すのが大変なのである。これを外すとボーズも覚悟しなくてはならない。まあ、汽水域あたりでたむろしている小型のアメマスがたまに遊んでくれることもあるのだが・・。今回の道東遠征では、サーフでの釣りをメインに考えていた。釧路界隈の平野河川のアメマスに比べるとさらに東側は、遡上の時期が遅いようである。海況が良ければ、河口前のサーフでも十分に釣りになるのだ。しかし、この連休中、台風が道東の沖合を通過中で強烈なうねりが海岸線に押し寄せていて、とても釣りになる状況では無かった。仕方なく、いくつかの内水面を彷徨うことにしたのである。

アメマスをターゲットに極東に訪れる時、私が狙うフィールドは、牛川やサーフを除いて４か所ある。勝手に数年前からラウンド１からラウンド４と名付けていた。どのフィールドもやち坊主が広がり、川岸に葦の類が繁殖しているのは共通している。ラウンド１のアメマスたちはこの時期でもコンディションが良かった。釣れてくるのはほとんどがグリーンバックの遡上してまもないアメマスであった。５０ｕｐも数本交る。時折大きなライズが見られる。これはカラフトマスのものだろう。しかし、良い時間帯は長くは続かなかった・・。その後ラウンド２でも釣りをしたが、やはり遡上アメマスはまだ海にいるようで反応がない。そんな中でもＫ氏に小ぶりながら２本の型を見る。お見事でありました。私が釣ったのはワカサギのみ、それも４本も釣り上げてしまった。ワカサギがルアーで釣れるとは知らなかったね（笑）。ワカサギがルアーで釣れるのなら、港内のチカもルアーで釣れるのだろうか？。ただ、想像しただけでも強烈に面白くない釣りになりそうだ・・。

２１日は、午後から牛川河口域で竿を振る。昨日から厚岸界隈を２往復もしているのに一人の釣り人の姿も見かけなかった。時間が大潮の満潮と重なり、海側から大量の海水が川に流れ込んで逆流している。ルアーが下流側から上流側に流れるのだ。春であれば陸地となっているところも膝上まで冠水していた。おまけに猛烈な蚊の襲撃を受ける。あちこちに蚊柱が立っていた。今の時期・・釣り人が居ない大きな理由がわかったような気がした。川面を見ていると時折ライズが見られたので、魚種は不明だが何かはいるようだ。しばらくは反応が無かったが上流側に立っていたＫ氏から「キターッ！」歓声が上がる。振り向くと水面がバチャバチャと景気の良い音を立てていた。サイズもまずまずのアメマスであった。写真を撮ろうと葦の密生した川岸を上流側に数歩進んだところで、葦を踏み抜いた。スリットに落ちたのである。春のように葦の類も少なく、陸地になっていれば亀裂は視認できるから回避できるが、冠水した状況でこれだけ葦の類が密生していたら、すり足で進まない限りわからない。チェストウェーダーぎりぎり、胸まで浸かってしまった。冠水した土手に両手をつき、体を支えてよじ登る。肩までびしょ濡れ・・水がシャツを伝わって全身にゆき渡る・・。今時期、夕方になると急激に気温が下がるので実に冷たかった。まあ、スリットの深さが背の立つ深さであったのは良かったね。その後もＫ氏連発・・。昨日のラウンド２に続いて、またまたお見事でありました。Ｋ氏ご夫妻・・関東圏ではもともとは、フライの巨匠Ｋ・Ｉ氏の血筋を引く、ＬＬ使いのフライフィッシングのエキスパートである。所有のフライロッドはもちろんＩ，ｓ３である。彼らは（特に奥様）は北海道でのルアーフィッシングにのめり込んでいった・・。本州では場所にもよるが、ルアーでの釣りは、児戯に等しいらしい・・。まあ、手前味噌ではあるが、私やHIROSHI氏、西別川氏、BOB氏、チライマン氏等の北海道フィールドのルアーの釣果を実際のフィールドで同行し、目の当たりにすれば、ルアーへの偏見は一発で払拭できるだろう・・。過去に西別川メインの北海道ＯＬＭ等で初年度参加のフライオンリーのアングラーが翌年からルアーマンに変身していく様を続けて見てきた。中には、フライにこだわりつづけ、北海道スペシャルなる訳のわからないフライを持ち込んでも、結局ボーズ・・・。夜の宴会にて焼酎を「樽で持って来い！」と叫び続けて我々に絡んできた御仁もおられましたなぁ～・その方とはいまでも付き合いがある・・（笑）。その後、私も撤収間際にようやく１本・・なんとかガイドとしての面目を保った（笑）。極東の釣り・・１１月に再訪したいのだが・・暦の関係上・・微妙だね。