チライマン氏からの嬉しいお誘いで、今年もモンスターブラウンを狙って道央のリザーバーへ出撃する機会を得た。この時期のチライマン氏との釣行は今年で３年目になる。昨年は、７月の釣行日程が折り合わず８月に入ってからフィールドに赴いたが、ブラウンたちは高水温を嫌ってシャローエリアから姿を消し、水深のある湖底や流れのある河川域の方に移動しており、場所の選定に苦慮した。さらに８月に入ると大量のアブが発生しており、終日全身にまとわりついてくるのである。このアブの襲撃には本当に閉口してしまった。それで、今回はアブがフィールドを狂喜乱舞して飛び回る前に出撃しようと画策していたのである。このフィールドは６月下旬から７月が旬であり、水温が低下する秋も良いとチライマン氏からお聞きする。秋の紅葉真っ盛りの時期でもやはりシケイダーの威力は抜群であるそうだ。このシケイダーを使ったトップウォータールアーフィッシング・・、私もチライマン氏との出会いが無かったら縁が無かったと思うが、一度やってみると必ず嵌ることを請合っても良い。本当に愉快で楽しい釣りであるのだから・・（笑）。

フィールドは基本的にボートでの移動が必要不可欠である。この日我々以外に、フィールドに来ていたフライマンの二人は、フローターを使用していた。フローターでも釣りにはなると思うが、やはり移動距離には限界があるので、ボートの方が駆動力があり湖水全体のポイントを探れるので有利であると思う。湖岸を歩きながら釣れるポイントもいくつかあるが、その場所は結局両側とも崖で遮断されていて繋がっているわけではないのだ。チライマン氏は長年ここに通い詰めた実績とその日の状況を瞬時に嗅ぎ分ける野性的な勘により、上陸地点を選定する。そこを全て叩き終わったら、ボートに乗ってまた別の上陸地点に向かうのだ。崖際にストラクチャーが折り重なっており、その直下が良いポイントになっている所は、ボート上からキャストをしてターゲットを狙う。シャローエリアをボート上から覗き込むと圧巻である。水底におびただしいほどの沈倒木があり強烈なストラクチャーを形成している。以前にもどこかで記したと記憶しているけれども、このフィールドにおけるトップウォーターゲームは理にかなっている。スプーンのボトムデッドスローやディープダイバー・シンキングのミノーは根掛かりの連発で釣りにはならないであろう。

この釣りの原点はやはりドライフライフィッシングに近いものがある。シケイダーを使ったトップウォーターフィッシングの概要については、過去のエントリーに掲載しているので割愛したい。とにかく、実際にやってみた事があるものだけがわかるスリリングでエキサイティングな釣りなのである。今回もご案内いただいたフィールドには、確実にモンスタークラスのブラウンが潜んでいるとチライマン氏は語る。事実、彼はここで８０ｃｍのブラウンをランディングしている。（コジマクラフトの釣行記参照　下段に彼のエントリーが掲載されている）このリザーバのブラウンは、今時期、比較的シャローエリアの水面側に枝が大きく張り出している、いわゆるオーバーハングしている場所に定位しているようだ。さらに水面下には沈倒木などのストラクチャーが入っていれば、なおさらブラウンからのコンタクトが得られる確立がぐんとアップする。サイトフィッシング的な状況にも成りうる場合もある。今回６０ｕｐと思われるブラウンを２回バラしてしまった。１回目はボート上にて、絶ち木が水面から林立するエリアにシケイダーを放り込んでリトリーブ・・・。こいつはイルカのローリングのような出方をした。合わせを入れ、完全に乗ったと思った瞬間、一気にボート後方側に突っ走った。ボートに乗った状態でロッドを操作していたので、態勢を変えることができず、ロッドのアクションやリールドラグをうまく利用できなかった。あっ！という間のラインブレーク・・。奴は16lbのラインをいとも簡単にぶち切っていった。一部始終を見ていたチライマン氏は、今のはニジマスでは？とおっしゃっていた。彼はここでランカークラスのニジマスをやはシケイダーでランディングしている。まあ、釣り上げたわけではないので、わからない・・。２本目は陸に上がって、オーバーハングした枝下を狙ってキャストしている時・・かなり手前から急深になっているポイントにて、もう少しでピックアップと言う段で、そいつは湖底から斜め45どの角度でシケイダーに突進・・一気に食らい付いた。控えめに見ても６０は軽く越えている。奴はシケイダーを咥えた瞬間に水面から飛び出した。合わせを入れたが乗らなかった。辺りの静寂の佇まいにドッポーンッ！という強烈な水音を残して、奴は静かに湖底に消えた・・・。まあ、バラした魚はいつも大きいのである。いつかは、しとめてみたいものだね。その前にフックをぶち刺してしまったボートの修繕をしなくては・・（笑）。こんな楽しい釣りを教えていただいたチライマン氏には心より感謝である・・。