道東サーフ海アメ遠征

本格的な今季初の道東海アメ遠征である。５月の連休にも阿寒湖へ行く途中、寄り道してサーフでロッドを振り、運良く海アメの姿を見ることができたが、この時点でのアメマスはまだ川を降りたばかりの個体が中心であった。サイズはあっても体腔が貧相である。道東のアメマスたちは、春先に下降途中や汽水域で鮭稚魚を飽食し、夏に掛けて沿岸一帯をチカやカタクチを追い回して太く大きく育っていく。強烈な体腔の幅を有しているものが真の道東海アメと言えるのである。そんなにグッドコンディションのアメマスと出会えるチャンスが、旬を迎えるこれからの時期となるのである。今回の遠征で同行いただいた友人が、最高のコンディションの「ＴＨＥ　道東夏の海アメ」（無断リンクご容赦！）を釣った。計り知れないパワーとトルクを持った道東太平洋側サーフの海アメ・・こいつらとの出会いを夢見て、片道４００ｋｍの道のりを東へ東へと車を走らせているのである。

目指すフィールドに着いたのは、深夜のＯ時をはるかに過ぎていた。自宅にも寄らず、公宅から直で車で走ること５時間半、１年に何度も通過する慣れた道すがらではあるが、この４００ｋｍを越えるロングドライブが、連日仕事で疲れ切った身体に重く圧し掛かる・・。今週に入って風邪を引いてしまい体調が悪い・・じゃあ止めれば良いだろう？・・だれかが出撃しろと命じているわけではないのだから・・。それはできない！・・なぜ？・・俺は釣りに行きたいのだ！・・少しは歳を考えろよ！休日は家でゆっくりしている方が楽だぜ・・でも、俺的には何かが違う・・自分の意志で自分の好きなことを好きなようにやっているのだ！・・ならば愚痴は言うまい・・。などと意味不明な自問自答を繰り返しながら運転を続ける・・・気がつくと車は峠を越えていたようである。４日ほど前に道東を襲った低気圧による集中豪雨は、二日二晩遮断無く続いたと釧路の友人に聞いた。往路は真っ暗な闇の中を疾走していたので辺りの様子はわからなかったけれど、翌日釧路の宿に向かう途中で見た音別川や茶路川・・阿寒川や庶路川も雪白最盛期の時期と変わらないぐらい壮絶に濁っていた。４日も過ぎているのにこの状況というのは、その雨の降り方がいかに強烈なものであったのかがわかる。さて、心配なのがこの濁り水が各河川からどっと海に流れ出て、沿岸一帯が帯状に強烈に濁っているのではないかということだ。波は１ｍで今後は落ちていく予想であった。まあ、ここまで来てジタバタしても仕方が無い。私よりも若干後に到着した友人（HIROSHI氏・西別川氏）とわずかな時間の仮眠態勢に入った。

友人に車のドアガラスをノックされ飛び起きる。サーフは白々と明るくなっていた。時計を見ると午前３時である。道東の夜明けは早い。高台から海を見下ろしている友人たちに加わり、会話に参加する。波は高くはないようだが、うねりは強烈である。ドドーン！・・と捲くれ上がって岸際に叩きつけている。まだ薄暗くてはっきりとはわからないが濁りもあるようだ。まあ、やってみるしかないだろう・・。友人たちとの協議の結果そうなった。車に戻り釣装を整えタックルの準備をして浜に立つ。少しずつサーフを右側に移動しながらジグやミノーを打ち込む。時折、ガッ！というアタリがあるが極めてショートバイトでフッキングできない。友人たちも同様であったようだ。ゴミが波打ち際を帯状に覆っていて、ミノーは1投ごとに大量のゴミを拾ってくる・・・。これでは、ミノーは使い物にならない。ジグやスプーンを中心にキャストを続けた。５月の連休にアメマスが定位していたポイントにたどり着き、丹念にジグを打ち込むが反応無し・・。私はその時点で引き返す。友人たちはさらに奥に進んだ・・。これが運命の分かれ道となってしまったようだ（笑）。友人たちはその後、沖に向かって縦に潮目ができている所でアメマス溜まりに遭遇・・楽しい思いができたようだ。私には、全く反応無し。優しい友人たちは私を携帯で呼んでくれた。急いで駆けつけた時には、潮目は崩壊寸前・・、それでもなんとか２本のアメマスの型が見られた。間に合って良かった・・（笑）。その後、反応が無くなり車止めに戻りながらジグを打ち込む。途中一回バラシがあっただけで終了・・。向かい風も強くなって、午前１０時という異例の早い時間に撤収となってしまった。川へ転戦も考え、車であちこちの川を覗き込んでみたが、どこも強烈な濁流と化していた。西別川まで移動は距離的にリスクが大きい。その日は諦め、早めのホテルチェックインとなった。

翌日は、HIROSHI氏と二人で再出撃となる。到着した時にはすっかり夜は明けていた。昨日よりも波も無く、濁りも多少薄れているように思えた。早速キャストを開始した。車止めのすぐ近くから反応がある。相変わらずショードバイトでバラシが多い。そのうちにHIROSHI氏はサクラマスをゲット！。私にもようやくアメマスが乗った・・。それから、延々歩いて昨日の良かったポイントまで移動したが、パッとしない。諦めて車止めまで戻る。結局、この車から近いポイントが一番良かった。待望の連発！・・私に５８ｃｍ、HIROSHI氏には６７ｃｍが出た。短い時間ではあったが、やっと道東サーフ夏の海アメ釣りの雰囲気が味わえて良かった。シーズンはこれからである。次回出撃できる機会が得れれば、さらにサイズアップを狙いたい・・・・。