島牧の１８番のポイントは、１０年位前初めて海アメの釣りを始めた頃に通い詰めていた。どこかのエントリーでも記したと記憶しているが、ヘビージグのキャストを必要としない、またある程度天候、海況状況が悪い場合でも釣りになるこのポイントは大変気に入っていた。他のポイントには移動せずに１日中そこで釣り続けていた事が多かった。その当時は、ジグが主体の釣りで私が使用していたものは「ファントム」だ。今でも店頭に並んでいるのを見かけるが、このジグを今使っている人は少ないと思う。その頃は、仲間内でも海アメに手を出している人は少なかった。その少ない友人の一人から「ファントム」はそのまま使用するよりは、バーナーで炙ってＳ字状にしたほうが良く釣れるなんていう話を真に受けた。夜な夜な家族の不審者を見る目付きに耐えつつ、台所のガスレンジで歓喜の笑みを浮かべながらジグを炙っている変な親父がいた。何度もやってみた。結局、ジグはイメージどおりに曲がることなく、いびつに歪んでこげて終了・・・全くアホの極みだよな・・・あの強靭な肉厚のジグを私の技術で、型も取らずに台所のガスレンジで思いどおり曲げられるはずも無い・・・・ミノーで初めて海アメを釣ったのも１８番であったような気がする。そのころは、ショアラインシャイナーも旧型、タイドスリムなんて無く（あったかなあ？あっても使っている人はいなかったと思う）Ｋ１０なんかが有名であったが、私は、シュガーディープの９０Ｆ、オレンジやら赤金、黒金のＤＤを使用し、比較的反応が良かったと記憶している。今でもこのミノー、時々使ってみるのだけどあまり反応は良くないね。どうしてだろう？・・スレ具合にも関係はあると思うけど、アメマスの嗜好が変わったとかとしか思えないね。まあ、とにかくここ２年くらいは１８番での海アメの釣果は無かった。それが、今シーズン、昨年末ラストの釣行の時に１本、今回が２本と久しぶりに型が見られて嬉しかったよ。

宿を出て久しぶりに１８番に向かった。狙って入ったと言うよりは、今日は海況状況が良くなかった。風も強く他のポイントではかなり厳しい状態を強いられるだろう。予想通り、１８番の駐車場から見える海の様子は魚礁帯を乗り越えた波が、強烈にうねって岸辺に叩きつけていた。赤灯、レスト前には人影が見えない。１８番も夜明けには釣り人が５人くらいしかいなかった。時々ブリザード模様になる天候の中、私はなかなか車から降りる踏ん切りがつけられずに、車中からしばらく様子を伺っていた。キャストしなければアメマスを手に入れることはできない。意を決して浜に立った。しばらくは何の反応も無くキャストを繰り返していた。ふと、右側をみるとかなり距離が離れている人に１本出たらしい。登録をしようと思い立ったのか、ビニール袋にアメマスを入れて駐車場側に姿を消した。私も、そちらに移動した。今日は休日の１８番にしてはガラ空き状態で、いつもなら移動しても人の列に入るのにはかなり勇気がいる状態なのに、今日は人と人との間隔があるのですんなり入ることができた。風も断続的でいくぶん弱まり始めたのでミノーにチェンジ。使用ミノーはタイドスリムのＢＢイワシ１７５だ。こんなでかいミノーで本当に釣れるんかいな？なんて、思いながらキャストを繰り返していると波打ち際でドスンッ！というアタリがあった。水中でルアーがアメマスの鼻先を通過した際、ルアーの後を追い、波打ち際の引き波のバイブレーションでたまらずバイトしてきたものだろう。１８番では良くあるヒットシーンだ。バイト後、いったん沖に走られたが、きびすを返したところで一気にラインを巻き取り、寄せ波に合わせて無事ランディング・・・・。しばらく、バタバタと暴れているアメマスを見下ろしていた。計測すると５５ｃｍ。近くで釣りをしていた数人が駆け寄ってきてくれた。「ルアーは何ですか？ほうっ！１７５のミノーですか？やっぱり釣れるんですね。どこでバイトしてきました？」・・・矢継ぎ早の質問に答えながら、「いやぁ〜、あははっ・・やっぱりでかいアメマスにはでかいミノーですよ・・。」と私・・これも、アホか！・・だよね。そんな戯言を聞かされるほうもたまったものではない。さっきまでこのミノーに対して疑心暗鬼でキャストを繰り返していたくせに偉そうにのたまっている調子の良い親父がそこにいる。やはり釣り人は実に現金なものなのだ。ミノーのサイズを１２ｃｍに落としたところで２度目のバイト、これは、岸際からは少し離れたところで喰ってきた。これも、なんなくランディングに成功。今度は５３ｃｍ。５０ＵＰ２本に調子付いた親父は、またＢＢイワシに替えキャストを続けた。何気なくミノーを引っ張っているとまた波打ち際でガツンッ！というアタリ。おっと！３本目かよ・・と調子に乗りつつ、寄せ波に合わせたつもりがちょっと型がでかく重かった。サイズより体腔があったという感じのブツだ。寄せ波で上げきれず、その波は引き波と変わって海に戻っていく。ラインに強烈なテンションが掛かり、持ちこたえられずにフックアウト・・・残念でした・・・そのアメマス以降ツキもフックアウトしてしまったようで、反応がなくなってしまう。午後からどうしようか迷った。今日の１８番のコンディションなら夕刻一発大物の期待も持てるのではないかと・・・しかし、今日の宿が北桧山であることも考え、瀬棚に移動することにした。(瀬棚での釣りの様子は別ページで紹介します）