屈斜路湖・平野河川

極東のフィールドで、ぐるっと対岸に回りロッドを振る。時折反応はあるが４０ｃｍに満たないチビばかりで、ここに留まることの価値も意欲も下がってきた。一度、朝食を取るために車に戻る。その時に、仲間たちが帰りがてら屈斜路湖に寄ってみるという話を耳にした。私の今日の泊まりは、釧路を予定している。屈斜路湖であれば、釧路への移動も大きな問題はない。ここに留まり、アメマスの活性が上がるタイミングを待つか、新規開拓で屈斜路湖に移動するか・・大いに迷ったが、私にとっては、屈斜路湖は過去に訪れたことのない、未知のフィールドである。これも一つのチャンスであろう。ということで、同行させてもらうことにした。３台の車は、連なって牧草地の広がる大草原の中を、フィールド目指して疾走していた。

屈斜路湖が、右側に見えてしばらく走ると先導する友人の車は、林道の中に入って行った。私の車は、レンタカーであったので腹を擦るのではないかと心配していたが、林道はしっかりと整備されており全く問題がなかった。それよりも、日曜日ということもあるのだろうが、人の多さに驚いてしまった。沢の流れこみも含めて、おそらくポイントがあるのだろう・・と思われる所の近くには、数台ずつの車が停車している。また、かなりの車ともすれ違った。林道は狭いので、車が行き交うためにはどちらかが端によって停車しなければならない。こちらは、３台つるんで走っていたので、大概、相手方の車が停まってくれる。礼の挨拶をすると、にこやかに挨拶を返してくれる。ここに通う釣り人は気持ちの良い人が多いようだ。目指すポイントに到着したところで、北見の友人ウーリー氏にお会いした。彼とお会いしたの５月の阿寒湖釣行以来ということになる。彼は、屈斜路湖をホームとしているようで、さっそく情報をいただく。仲間たちが「あそこはどうだ？ここはどうだ？」との問いにウーリー氏は的確に応えていた。私には、どこのなんの話をしているのか皆目わからなかったけれど・・（笑）ウーリー氏とはまたの再会を約して別れた後、ポイントに入る。今の時期は、フライで釣るならルースニングがセオリーであるようだ。仲間達は、ルースニングのタックルでマーカーを見つめている。私もフライタックルは持ってきていて、ルースニングならば対応できたが、この手の釣りは、せっかちな性格である私の場合、流水であれば景色が変わるので、釣れなくても我慢できるが、止水の場合、フライを投入して１分以内にマスからの反応がないと集中力が続かない・・（笑）で、やはりルアーで攻めることにした。波一つない鏡張りの湖面に時折ライズが見られる。その正体は、なんであるかはわからなかった。しかし、ルアーには全く反応がなかった。仲間たちと別れた後、湖畔沿いを右側に移動していく。とあるワンドで、待望のアタリがある。釣れてきたものは、体側が赤く染まったヒメマスであった。それからは、こいつらの猛攻に合う。ヒメマスはスプーンを沖に投げても岸際にたむろしているので、ピックアップ寸前まで群れで追っかけてきた。ここのフィールドは良くわからないのだけど、確かヒメマスはターゲットになっていないはずだし、釣ってはいけない魚ではなかったっけ？！早々に移動した。それからも、相変わらずバイトしてくるのはヒメマスばかりであった。そろそろ、上がろうかと小さな沢の流れこみでロッドを振っていると、ググンッ！と明らかにヒメマスとは違うアタリがあった。ランディングしてみると、スプーンを咥えていたのは、３５ｃｍくらいの痩せたアメマスであった。とりあえず顔が見られて良かったね。でも、このフィールドにはもっとコンディションの良いアメマスもいるはずである。まあ、それは次の機会を楽しみに・・・ということで、夕闇せまる屈斜路湖を後にした。

最終日、釧路のホテルで朝食を取ってからゆっくりと出かける。目指すフィールドは、今期何度もお世話になっている道東平野河川だ。狙った流域に着き、フライタックルを用意する。川に降りてみると、川岸の砂地には釣り人の足跡が無数についていた。この土日で、おそらくかなりの釣り人が入ったのだろう。あまり期待しないで、橋げたの深みにフライを投入すると一発で、マーカーが消しこんだ。それからも、ポイントごとに反応がある。やはり、この川は釣り人に優しいね。心配していたアメマスのコンディションも思っていたよりは悪くない。むしろ、１０月に来た時よりも活性も高いし、引きも強烈であると思った。とある倒木の真下とその前後だけのポイントで、２０本くらいのアメマスを引きずり出すことができた時は、我ながら驚いてしまった。１本釣り上げるたびに、バシャバシャと飛沫をあげ、そこら辺りを駆けずり回って、場を荒らしてしまっているのに、次のキャストでまた、別のアメマスがフライを咥えこむ・・。道南のフィールドでは考えられない様相である。型こそは、今回６０ｕｐを釣ることはできなかったけど、５時間くらいの釣りで、５０本近く釣れたのではないかな？今回、神奈川から来道した友人も言っていたけど、道東の有名河川をゆったりと釣るには、平日釣行がベストだね。なかなか、宮仕えでは、休みも思うようには、取れないけどね（笑）