朝目が覚めると、カーテン越しに明るくなっているのがわかった。「えっ！？・・・」驚いて飛び起きてしまった。時計を見ると４時・・。「どうして？・・」昨日の夜に目覚まし時計のアラームを２時にセットしてから就寝したはずだ。時計のアラームスイッチはしっかりと切られている。アラームを消した記憶が全く無い。動揺して、寝室でごそごそしていると妻も起きてしまった。妻にアラームを消したのではないかと聞きただすと、妻はきっぱりと否定した。実は、過去にも私がセットしたアラームを、妻が夜中に消したのを何度も見ているのだ。ただ、その時は私もアラームの音とともに起きていたので問題は無かったのだ。今回は、まったく覚えていない。私は妻を疑ったが、今ここで言い争いをしている場合ではない。４時半に友人達とフィールド近くの道の駅で合流の予定なのだ。今からでは、間に合うはずも無い。合流場所が携帯圏内で良かった。さっそく、友人に�пE・寝坊してしまったことの詫びを入れ、合流が遅れることを連絡した。実は、今回の釣行は私にとって初めてのフィールドで、友人に案内をしてもらう予定であった。だから、単独では目的にたどり着くことはできない。現地近くになったら連絡を入れるので、誘導して欲しいとお願いし電話を切った。

友人であるYUN氏、ABU氏に遅れること１時間半・・誘導のおかげで無事めざす「本流」にたどり着くことができた。そこは、いくぶん水量は普段よりは多めであると説明をいただいたが、そこにたたずむ釣り人などちっほけな存在にしかなりえないくらいスケールが大きく、ダイナミックに滔滔と流れていた。特に十分な深さを伴った瀬から大きくカーブしてえぐれたバンクになっているポイントには、計り知れぬ大物が潜んでいる雰囲気が十二分に漂っている。友人達は、この流域を３つのセクションに分けて釣りをしているようだ。先週までは、想定外のアクシデントによるバラシなども含めて、多くの鱒たちからコンタクトを得ている場所でもある。ABU氏にお聞きするとスピナーへの反応が良いと伺っていたが、私は、道南域でのニジマス狙いでは私流的に定番のラパラＰＨ・・河川規模が大きいのでＣＤ５のミノーをスイベルに繋いだ。さっそく、キャストを開始。立ち込んでいると水温がかなり低いことがウェーダー越しに感じ取ることができた。この水温では大型のニジマスは、ボトムにへばりついているだろう。そんなことをイメージして、キャスト後ゆっくりとカウントダウン・・その後アップクロス、ダウンクロスに引っ張る・・・・かけあがりでルアーが底を擦っている感触がロッドに伝わったので、棚は取れていると実感していた。ところが何度流しても反応が無い・・・場所を移動しながら、キャストを続ける。瀬頭に腰まで立ち込み、縦にラパラを引っ張っていた時に３０ｃｍくらいのニジマスのチェイスを確認できた。しかし、それっきり・・・。友人達も今日はあまり芳しくは無いとおっしゃっていた。そんな中でもABU氏がスピナーで２本・・・さすがここをホームと言い切るABU氏・・・お見事である。やはり、ここはスピナーが良いのか？いやっ！確かに釣果を得るためにはルアーの選定も大事な要素であるのは間違いの無い事実ではあるけれど、それだけではないはずだ。本流には本流のリトリーブテクニック・・鱒からコンタクトを得るためのメソッドなりセオリーがあるのだろう。それをまだ、私が会得していないのであろう。

相談の結果、別流域へ転戦することになった。ここも「いかにも・・」という流域だ。入川してまもなく、下流側でスピナーを引っ張っていたＡＢＵ氏にヒット！ロッドの曲がりから型ものであることがわかる。残念ながらランディング間際に痛恨のバラシ・・・俄然やる気になって、キャストにも力が入る。しかし、私には相変らず鱒からのコンタクトは無かった・・・・。はるか下流に瀬が見える。一気に移動してみることにした。ところが、ここは川岸が笹とのイタドリの密生地帯。川縁を伝いながら移動するも時折張り出した柳の木にさえぎられる。目の前は１ｍも進めば背が立たない。仕方なく陸路を迂回・・・これが、エライコッチャであった。苦労の甲斐あって、瀬頭で待望のアタリ！竿先に感じたラインのテンションからかなりの大物であったと思うが、３秒でバレ・・・こいつの正体はわからない。そして、瀬尻でもう１本。今度は、がっちりとフッキング。垂直ジャンプは無かったが、イルカのように水面ローリーングの際にレッドバンドが見えたのでニジマスだろう。こいつも、かなり大きい。ところが、瀬の向こう側でヒットしたので、寄せの時にガンガン瀬を交わしきれなかったようだ・・口切れか・・ラインからテンションが消えた時に、思わず声が出る。そして、真っ青な空を呆然と見上げていた・・・ABUさんから、昼食コールが入る。いったん車に戻ることにした。

午後から、SHU氏も合流してセカンドステージの対岸に入る。ABU氏は、30cmを筆頭に数本のニジマスをゲット！私には、一向に鱒からのコンタクトは無かった。やはり、決定的になにかが違うのだろう。それを見出せないまま、１日が終わってしまったようだ。午前中の２回のバイトも笹やイタドリにもがきながらのキャストであったので、なにをどのようにしたらバイトするのかよくわかっていない。次回には、なんとか策を練って仕留めたいものだ。