島牧の海アメ

前日が職場の忘年会で、当然帰宅は日付が変わっていた。室蘭を出たのが9時。現地に着いたのが11時という気合いの入らない時間帯であった。今日の相棒はHIROSHI氏。彼とは12時に島牧の喫茶店で合流予定であった。高速を豊浦に向けてひた走る。今年も暖冬の影響か・・太平洋側は、路面には全く雪が無い。天気も時折晴れ間が見えるといった感じで、実に穏やかであった。ところがR37を黒松内側に右折してからは、回りの景色が一変した。天候もはじめはパラパラ状態であった雪が、視界を遮るほどの降り方に変貌していく。幸い、黒松内から島牧に抜ける山道は開いていて通行することができたが、峠道を下降して眼下に海原が広がる頃には風も出てきて、コビチャの海岸付近は強烈な吹雪模様になっていた。本当は、彼と合流する前に軽くここで竿を振って、状況を確認しておく予定であったのだけど、現況ではとてもじゃないが、竿を振れる状態ではない。しばらく、浜が見渡せる土手の上で様子を伺っていた。浜にいた数組の釣り人もまもなく全員引き上げてきた。その中のお一人の方に情報をお聞きする。時折反応はあるが、型はすべて小さいとの話であった。先週と同じ状況か？・・天気の状態も強烈な吹雪模様になったのは、つい先刻であるとお聞きする。朝方は穏やかであったらしい。なんか、今回の釣行も出鼻をくじかれた感じがしていやな予感がしたね。その予感は、その日に関しては見事に的中してしまったようだ。HIROSHI氏と合流後、昼食を済ませてから18番、コビチャナイと回るが、コビチャナイで１本掛けるも途中でバラシがあっただけで、結局ボーズという結果になってしまった。おまけに、コビチャは先週よりも波が高く勢いもあった。通常立ち込んでいても、前方から押し寄せる波が視界に入れば、後ずさりすれば交わすことができる。まあ、まだサーフの釣りが初心者であった頃は、ルアーなんかを交換している時に前方から目を離し、下を向いている時に高波が来て、頭から被るなんてこともあったが、これも、最近ではルアーを交換する時には、安全な場所に避難してからという習慣がついているので、波を頭から被ることはほとんど無くなったと自負していた。ところが、今日は悲惨であったね。押し波が膝上くらいなのでそのまま動かずに交わす。その波が引き波と変わって戻り際、次の押し波と私の前方でぶつかり合い、飛沫が高く上がる。その飛沫が風下にいる私に頭からスコールとなって降り注ぐのだ。帽子のひさしから垂れる水滴を、頭を振って振るい落とす。そして、何度も場所を変えた。しかし・・回避することができなかった。10回以上被っただろうか？おかげて、防寒着はびしょ濡れ・・首筋から入り込む水が気持ち悪い。携帯もカメラも防水で良かったね。釣りが終わった時には、偏光グラスも私の顔も塩でざらざらしとていた。宿に着いて入った温泉が実に気持ちが良かったよ。

翌朝、宿の窓から海の様子を伺い見る。唖然としてしまったね。目寸で軽く6Mは超えているだろう。締め切っている窓越しにもゴーゴーという風音が聞こえてくる。今日も海況は大荒れのようだ。幸い雪は降ってはいない。HIROSHI氏と相談結果、まずは、近場の漁港に行ってみることにした。数人の釣り人共々、しばらく竿を振ってみたが全くアタリが無い。あきらめて島牧に戻ることにした。島牧のレスト前に着いて海を眺めると、モッタ海岸ほどの波は無いようであったが、それでも優に3m以上はあるだろう。赤灯前には釣り人の姿が無かった。18番に釣り人の姿があった。なんとか18番は釣りになるようだ。さすがに、この海況と風ではフライマンの姿が無かったね。昨日は浜全体に釣り人が散らばっていたが、今日は右側のほうに偏っている。しばらく様子を見ていたが釣れている様子は無かった。ところが、上がってきた人に情報をお聞きすると午前中に60、70クラスも含めて結構上がっているとお聞きする。それで、私とHIROSHI氏も列に加わることにした。しかし、私たちにはアメマスからのコンタクトは無かった。12時にHIROSHI氏がリタイア。私は、午後からも一発を夢見て、強烈なアゲインストの中、ミノーを投げ続けていた。さすがに腕がだるくなってきた。私も15時になって、そろそろ上がろうか・・・と目を他の釣り人に向けると、右側の端に人だかりができている。その後、袋に入れたアメマスを持ってレスト方面に歩いていく釣り人の姿を見えたので、登録サイズが釣れたのだろう。もう少し、粘ってみることにした。(笑)それからは、ポツポツと上がりだした。ほとんどの釣り人がミノーを使用しているようだ。それも、でかい！私の竿先にぶら下がっている12cmのミノーでさえも小さく見える。20cmはあろうかという巨大なミノーをキャストしていた隣の釣り人にヒット！ランディングされたアメマスはゆうに60は超えていただろう。その方がアメマスを海にリリースしたタイミングと私のロッドがググンッと引き込まれたのが同時であったような気がする。やっと・・来たよ・・・慎重にロッドを操りながら、押し波に合わせてアメマスをランディングした。しばし、ぼ－っとアメマスを見つめていた。いったい、今日1日で何回、ロッドを振ったことだろうか？そして、この1本だよ。型も50を少し超えるくらいで、決してトロフィーサイズとは言えない・・でもね、厳しい状況の中での1本は、釣れると釣れないのでは、モチベーションの変化に天と地の差があるんだよね・・・

今年も後残すところわずかとなりました。今年１年間、たいした内容の無い、コンテンツも貧弱な私のサイトへ訪問していただいた皆様、本当にありがとうございました。まあ、根っからの釣り馬鹿である事は自他共に認めいる訳でありますが、ちょっと、釣りに行き過ぎですかね。ただ、私は仕事の疲れを休日に家に居ることで癒すことはできないタイプなんです（笑）最近、仲間内からも「SHINYAさん、年間で何日くらい釣りに行っています？」と良く聞かれます。今年は、釣行記のエントリーが５５本。釣行の日数は、釣行記にエントリーしていないものもありますので、数える気にもなりません。家族もあり、日本の平均的なサラリーマンの身分で、これだけ釣りに行ける環境にあることは、幸せなことかもしれませんね。でもね、一生のうちで、自分のやりたいことを好きなようにできる期間というのは、ごく短いものであると思っているんですよ。
健康面での心配もあります。いつ環境が変わって、釣りに行ける状態でなくなったとしても後悔だけはしたくないなと考えているわけです。来年も行きますよ！力の続く限り「釣道」を邁進しようと思っています。自己満足の極みである当ＨＰですが、来年もどうぞよろしくお願いいたします。時節柄、体調を壊しやすい時期です。健康には十分留意されて・・・・・・・
家族揃って良いお年をお迎え下さい。